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2020-06-03

【醤油屋のせがれブログ】古式しょうゆのこと

2020年、春仕込みを終えました。

麹菌には、いろんな種類があります。醤油になる菌や味噌になる菌など。
今回は、近所で栽培された黒大豆を何桶か仕込みました。

仕込みで使う塩水濃度、小麦の焙煎や割砕作業、大豆を釜で煮る作業、麹菌の繁殖を促す作業など。出来上がりの醤油を左右する要素は沢山あります。

毎回、醤油おやじと共により美味しい醤油になるように様々な工夫をしながら取り組んでいます。

それでも、思ってもいないような出来事があったりして。美味しい「古式しょうゆ」を食べてほしい、その気持ちだけで手間暇をかけ続けています。

不思議なもので、桶に入れた段階では塩水に大豆と小麦が浮かんでいるだけの様子です。毎日櫂入れをして、1週間ほど経つと、少しずつ茶色く変化していきます。もっと月日が経つと、諸味の匂いが漂い始めます。

どの木桶も個性があります。それは、菌が生きているからこそ変化があり、個性となります。櫂入れをしながら、諸味と会話している。そんな気分です。

古式醤油醸造所でつくる「古式しょうゆ」は商品となる本数が限られています。だからこそ、この醤油を使いたい!と思ってくれる方に届けたい想いが強くあります。

古式しょうゆは、料理を楽しむ醤油としてではなく、「醤油を楽しむ醤油」として使ってほしい。作り手としての願いです。

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