
高橋醤油では、古来の製法での醤油づくりに取り組んでいます。
その象徴となるのが、この木製天秤搾り機。以前に小豆島を旅行したとき、博物館の中央に展示されていたのがこの搾り機。近代化が進み、機械での醤油づくりが主流になり、無くなっていった過去の遺物のようなものです。

石の重みでゆっくりと搾り出す、カスのカスまで機械で搾るとどうしても雑味まで一緒に出てしまいます。ゆるく搾る分、醤油の取れ高はどうしても少なくなってしまいますが、美味しいところだけ出てきます。
毎日、少しずつ天秤棒を下げ圧力をかけます。日数をかけて、ゆっくりと搾り出す。
蔵の中に、搾り出た醤油が滴り落ちる音が響きわたります。
今日も、麻袋に諸味(もろみ)を詰めて搾る準備完了。


毎日の仕事や付き合いのなかで、どうしても忘れがちになってしまうのが家族への感謝。
元気に今、過ごせているのも育ててくれた両親がいるからこそ。見守ってくれたからこそ。そんな感謝の気持ちを伝えるのが「母の日」。
私も中学校・高校・大学と反抗期があり、両親に大変迷惑をかけた時代がありました。だからこそ、今醤油屋で共に働いている時間を通じて恩返しをしたい、そんな思いもあります。
高橋醤油も母の日企画を行っています。感謝の気持ちを伝えるのに、当店の醤油類やお店で取扱している商品が活躍したらと。
年に1回、せっかくの機会です。あまり気持ちを伝えるのが苦手な方もたまには良いかと思います。
私も、母に〇〇をあげる予定です(笑)
高橋醤油オンラインストアにて「母の日商品」を掲載中
https://sakuraizumi.stores.jp/

ゴールデンウィーク終盤に当店も3日間、お店を閉めさせていただきました。
「ステイホーム」「おうち時間」などSNSで最近よく見かけるワードのように、妻と子どもとゆっくりと過ごしました。お昼のご飯は、馴染みの飲食店さんのテイクアウト弁当を食べたりして、おうちに居ながら、お店に食べに行った気分も味わうことができました。

高橋醤油も飲食店さんとの関わりが深く、新型コロナウィルスによる影響を受けています。お醤油を使っていただく方がいて、我々がいます。地域に元気がないと、まちの醤油屋さんの元気もない。そんな業界とも言えます。

連休を終え会社に来て、メールを見ると友人から地方発送の注文が入っていました。
お店に買いに来てくれた知人もいました。
世の中の状況が目まぐるしく変わってしまったなかで、頂いた気持ちでとても嬉しくなりました。
『社会』という形そのものが、この新型ウィルスの影響で大きく変化し、またその変化に対して、会社として個人として対応していかなければなりません。
ですが、『人と人とのつながり』『人を思う心』は普遍的なもので、変わるものではありません。
皆がしんどいときに、どういう気持ちのやりとりが大切か。それぞれの社会的立場は違えど、掛け合える言葉は何か。微力でも行動できることはなにか。
個人個人の行動や発信が、大きなうねりをつくる。自分が見ている世界、大切な人の世界、誰かの世界。世界を変え、動かしていく。世界の大きさは人それぞれ。
この状況だからこそ、不意に目にする『日常』の大切さに思いを馳せてしまいました。


旅先で見つけた ひとコマ。
火鉢の中を泳ぐ金魚を
釣ろうと
糸を垂らす亀。
なにげない趣向に
「上手いなー」。
こんなのが 好きです。
「醤油おやじのワガママ選歌」
藤田まことさんの「音やん」と
遠藤太津朗さんの捜査課長の
名コンビ。
お笑いのような
掛け合いが絶妙でした。
刑事ドラマでありながら
人間模様が 時に悲しく
挿入曲のギターが
良かったなー。
「京都殺人案内テーマ」 クロード・チアリ

今年も4月が終わり、5月が始まりました。なんだか、色々なことがありすぎて1年くらい経ったような気になります。明日から5月5日まで臨時休業日となり、今日がなんだか仕事納めの感じです。
ブログを最近更新することも増えて、今日は1月からのことを振り返ってみたいと思います。

僕にとって大きな出来事がありました。それは、三男(弟)が東京で勤務していたのですが、「醤油屋を手伝う!」と帰ってきたことでした。
2018年に家屋移転の工事があり、2019年からは新店舗での営業が本格的に始まりました。そのタイミングで事業承継も行い、父から私に代表が代わりました。ご先祖様や地域の方、地元にあったたくさんの醤油屋さんが紡いできた北播磨の味を「次の百年に繋ぐ」という気持ちで今も醤油と向き合っています。そこには、弟の力が必要不可欠でした。帰省のたびに「手伝ってほしい」と声を掛け続けました。
2019年の年末に「帰って手伝う!」と言ってくれたことには、心の底から嬉しい気持ちになりました。そして、2020年1月から弟が加わり、新しい体制でスタートできたのです。



新しい発想で、これまでになかった取組みや温めていた企画がたくさん前に進みました。「醤油せんべい体験」「新商品開発」「撮影コーナー」「地域の観光マップ」「ツイッターの活用」など。目に見えるだけでも新しいチャレンジたくさん生まれました。
高橋醤油みんなで毎日、共通のゴールを目指して、作業の合間に知恵を出し合い、思いをぶつけ合い、カタチができたこと。これを継続して行うことが高橋醤油に関わる全ての人の幸せにつながると信じています。なにより、僕自身が弟と切磋琢磨できる環境に身を置けることを弟に感謝したいです。

話が変わり、1月終わりくらいから新型コロナウィルスが猛威を振るい始め、5月はじめの現在も緊急事態宣言が続いている状況です。醤油屋としてももちろん影響を受けています。地域の飲食店さんとの関わりも深く、苦労が絶えない今の状況で踏ん張るまわりの経営者の姿に、皆で頑張って乗り切ろうという気持ちに毎日なります。

ゴールデンウィークも自粛のなかで過ごす、楽しさを見つけることが難しい休みが続いています。家族と向き合う時間に、自分と向き合う時間に使おうと決めています。
明日からお休みをいただきます。振り返るのに、ちょうどよい時間になりそうです。
このブログを読まれた皆様も、健康に留意して、無事に過ごしてください。私も、産まれたばかりの子どもとの時間を大切に過ごせるよう気を引き締めて過ごします。


今、リスクの中で物流で働く皆さんが頑張っておられます。当店もいろんな運送会社さんが出入りされていて、その都度「ありがとうございます!」「気を付けて!」とお話ししています。
当店も昔から『醤油の配達』を各ご家庭にしています。買い物に出られない・出る機会が少ないお年寄りの世帯も北播磨では以前よりもずっと多く、配達のご要望があればできる限り伺っています。
この時期だと、お客様との距離感やマスクの着用など。配達に行く際はできるだけ気をつけるようにしています。互いに何かあっては絶対になりません。
だからこそ、物流で働く方の気苦労も理解できるのかもしれません。
携帯・パソコンから注文すると、簡単にモノが届く時代。簡単に消費できる時代。
この社会において屋台骨としての大切なインフラ。
物流は単に品物を運ぶように見えるかもしれませんが、そこには配送に携わる色々な人の手を介して手元に届きます。それは、普段の生活、日常を守るという大きな使命感がバトンを繋いでいるようにも感じます。
そんなとき、ツイッターで見つけたドラえもんのPOP。ちいさなことだけど、気持ちが届けば嬉しいと思いポストのうえに貼りました。
皆がギリギリのところで踏ん張っている。そんなときにどんな声を掛け合えるのか、ドラえもんに教えてもらったような気がしました。


昨年に代表が代わり、僕で4代目となりました。創業は1921年、高橋醤油はかれこれ百年近く醤油に携わっています。
ぱっと思いつく変化といえば
はじめは、牛で醤油を運び、荷車、自転車、自動車と運ぶ方法も時代と共に変化してきました。
お醤油が入っている容器も昔は小さな木樽にお醤油を入れて、コックを開けると醤油が出てくる。そんな時代があり、ガラスの一升瓶、そしてプラスチック容器へ。
醤油という本質はそのまま、醤油を取り巻く世界は時代と共に少しずつ変わっていきます。
「百年なんてあっという間!」とそんな気がしますが、やっぱりものすごい変わりました。
今日配達先のおばあちゃんが「70年生きてきて、こんな年はじめてやわ!」と言われていました。それくらいのことが今世界規模で起こっているんだと。
こういう時に、次のすごい変化がやってくる。そう思ってしまいました。

話の始まりは西脇市水尾町にある「佐藤果実工房」さんとのご縁でした。
いちご園をされている若いご夫婦で、当店に何度も遊びに来てくれました。ラーメンイベントのときや普段のお買い物など、お会いするたび楽しいお話をさせていただきました。
醤油とイチゴのコラボレーションも色々考えてみたんですが、なかなか良い案が見つからず。
そんなとき、丹波篠山市で地ビールを醸造されている丹波路ブルワリーさんと佐藤果実工房さんのコラボ商品「イチゴビール」を発見。

買って飲んでみると、フルーティーで飲みやすくびっくり。佐藤果実工房さんの優しい人柄、丹波路ブルワリーさんの職人技が詰まっていました。
そして、丹波路ブルワリーさんの地ビールを店頭に並ぶことに。

自宅で過ごす時間が増えているこの時期。食卓を楽しく、美味しくしてくれる兵庫の味が活躍します。
実は僕が会社に入ってすぐの頃、高橋醤油を知ってもらいたいと思ってホームページを作ったり色々なことに取り組みました。その一つにyoutubeがありました。
手作業の古来の製法で醤油づくり(できた醤油を古式しょうゆと名付けました)に取り組んでいる「古式醤油醸造所」の様子を当時少しずつアップしていました。
(写真は旧家屋内の古式醤油醸造所)
2018年に家屋の移転があり、古式しょうゆを造る場所も合わせて移転しました。現在の家屋でも移転後も醸造も続けており、この5月にも仕込みを行う予定です。
(写真は新家屋内の古式醤油醸造所)
古式醤油醸造所には旧家屋時代から多くの方が見学や視察に来ました。外国の方、発酵に興味のある方、地域活性として興味がある方、行政の方、観光の方、学校教育の方。数多の用途で、出会いをくれたのもこの「古式醤油醸造所」でした。
いま思えば、自然と受け入れしていたことだけど。この新型ウィルス危機に直面して、日常と思えていた活動ができなくなり、すごく寂しく、また恋しく、尊い時間でした。
(写真は旧家屋内の古式醤油醸造所)
(写真は旧家屋内の古式醤油醸造所)
(写真は新家屋外の古式醤油醸造所)
いま、youtubeという動画のプラットフォームに、新しい古式醤油醸造所の仕込み蔵で撮影した醸造過程を少しずつですがアップしています。
もともとは、「学校教育の授業で使用できるような動画があれば」と数年前にかけてもらった声が始まりでした。
いま、自宅で過ごし、学ぶ機会も難しい状況が続いています。また、この新型ウィルスの不安が解消されるとしても、それまでに時間を要する可能性もあります。そんなとき、『動画』であればどこでも・いつでも、映像を通じて高橋醤油が伝えたい醤油文化・伝統文化と共に生きる一助として情報をシェアできる。今まで出会った人とも、これから出会う人とも。お醤油の味は日本・地方・田舎の文化そのもの。地域の個性を反映した味わいが全国津々浦々あります。
文化を語り繋ぐ、味を守り続ける。もう製造過程も#7の搾り作業まで更新しています。次は最後の「瓶詰め」。